新しいネコ語1115

 ボクが書くことに夢中になって、すぐに扉を開けに行くことができない時、クロネコのクロは二本足で立って、二本の前足というか二本の手を、ドアのレバーの部分に手を掛ける。

   そしていきおいよく、ドアのレバーを上下に動かす。ガチャガチャと。さすがに気づくね。

   いつもカギは掛かっている。だからその時点でドアが開くことはほとんどない。ほとんどないというのは、カギが掛かっていなくて、開けてしまったことが何回かあるということ。そして勝手に「行ってきます」も言わずに出かける。

 冬なんかガチャガチャという音を残し、出ていくクロネコと交代で、冷たい冬の風が入り込んでくる。

   ボクはあわててクロネコのクロが開け放ったドアを閉める。開けたら閉めてくれればいいんだけれどね。

 もちろんこれはレバーの形になっている時だけ、よくある丸いドアノブでは、手が掛からないから、いくら二本足で立って二本の前足というか二本の手でやろうとしても、できないようだ。

クロネコのクロとボク

フィクションです。

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クロネコのクロとボク

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