出会った頃のクロネコのクロ0621

   ボクが買い物へ行こうと家を出ると、子ネコはドアを開けた所で、通りを向いて座っていた。ボクの気配を感じると警戒して、サササッと四〜五歩逃げる。それ以上は逃げない。

   買い物から帰ってくると、行く時と同じように通りを見て座っていた。また。ボクの気配を感じると、警戒してサササッと四〜五歩逃げる。

   ボクは元々ネコが好きだったから、何回か抱きかかえて撫でてみようともしたんだ。でも警戒して逃げてしまう。抱きかかえられなくても、せめて撫でるだけと思い、ボクは自分の右手の人差し指をネコの鼻先に差し出したりもした。ネコは棒状のものを鼻先に差し出すと匂いを嗅ぐ習性がある。匂いに慣れさせることはとても大切。でも鼻の臭いを嗅ぐことをしてくれても体を撫でようとるすると、やっぱり四〜五歩逃げてしまう。

   ボクは一人で生活をしていた。一人での生活をとても気楽に思っていたので、そんなやり取りで、まさか家族が増えるとは思ってはいなかったんだ。それに誰かがすぐに拾って行くだろうとと思っていたから。

0コメント

  • 1000 / 1000

クロネコのクロとボク

フィクションです。